一水四見(いっすいしけん)

最近、花粉症がしんどい、制作部の西本です。

今日は私が学生時代アルバイトをしていたデザイン会社の面接で、その面接官だった代表の方から言われた内容で、いまだに心に残っていることを少し書きたいと思います。

もう20年も昔の話ですので、かなり曖昧な記憶ではありますが、面接時のアンケートか何かで次のような質問がありました。

人の言動パターンには4種類あると思いますが、以下の中からあなたが好ましいと思うのはどれですか。

①有言実行 ②有言不実行 ③不言実行 ④不言不実行

みなさん、いかがでしょうか。

普通に考えたら、①の有言実行でしょうか。辞書によると、「一度口に出して言ったことは必ず実行すること」とあります。周りにやろうと思っていることを宣言し、言ったからには実行する、、、言葉ほど簡単なことではありませんよね。。。

次に、③の不言実行はどうでしょうか。辞書によると、「あれこれ言わずに黙って実行すること」とあります。これが本来の意味のようですが、黙ってやっておいて「これやっておいたよ!」というのは恰好いいかもしれません。しかし、あるスタッフが良かれと思って黙って仕事を進めていたとして、それを知らない上司は上司で色々段取りを考えていたかもしれませんし、組織で動く以上、適切な情報共有がなされるべきようにも思います。

④の不言不実行はいうまでもなく最悪な行動パターンだと思いますが、②の有言不実行はどうでしょうか。辞書によると、「口にしたことを実行しない、宣言するだけしておきながら行動が伴わないこと」とありました。これも最悪な行動パターンだ思われるのではないでしょうか。私も当時そう思っていましたが、その代表の方は次のように説いてくれました。「例えば、誰もやりたがらないとても難しい仕事があったとして、誰かがやらなければならない、そんな仕事を引き受けることは、たとえ結果が出なかった(実行できなかった)としても評価すべき言動ではないか」と。当時の私は目から鱗が落ちる思いだったのを覚えています。

恐らく立場や何を重視して考えるかで見解も変わってくると思います。

多様性が求められる現代社会に生きる私たちは常に、それぞれの立場でそれぞれの見方がある、ということを心にとめておく必要があると思う今日この頃でした。